■革の特徴
革は天然素材で、すべての革にそれぞれの個性があります。 ソファは何枚もの革を使用しているので、僅かな色や皮膚模様の違いが見られるのは自然なことです。
革特有の皮膚模様は『自然のサイン』と言われ独特の美しさをもたらし、本物の証となります。

① 柔らかく、しなやかで体になじみ易い。
② 吸湿性、通気性に優れている。
③ 順応性があり、冬暖かく夏涼しく感じる。
④ 繊維構造があり、特有の銀面模様が美しく感触が良い。
⑤ 難熱性あり燃えにくい。
⑥ 耐久性に優れ、型崩れしにくく、避けにくい。
⑦ 非常電性を備えている。

天然素材特有の経年変化も独特の表情を醸し出してくれます。 年月を重ねるにつれて使い手になじみ、使い込まれた艶がライフスタイルを物語ります。

■革の基礎知識
革産業は食品産業の副産物として、その優れた部分が加工され家具などに生かされています。 『皮』がなめし(タンニング)加工されて、『革』として製品に生まれ変わります。

代表的な革なめしタイプ

* クロムなめし
3価クロムの塩基性塩を使い、科学的製法による鞣し方です。 ソフトな風合い、柔軟性、伸縮性に優れていてソファに使用される革のほとんどがこの製法です。
* タンニンなめし
木樹の皮、果実、根などから抽出したタンニン物資を利用します。自然の色に染まり使い込むほど柔らかくなる特徴があります。鞄やベルト等の革製品に使われる製法です。
* 混合なめし
クロム、タンニンを併用する製法です。

■原皮の産地
*ヨーロッパ
寒冷地域、酪農地域、山岳地域の原皮が良質とされています。
発汗が少なく、また飼料となる牧草が柔らかくダニなどの虫害による傷が少ないためです。
家具用としてはソファ産地として知名度があるイタリア、ドイツ、オランダなどがあります。
*北米・南米
全般的に中級品とされています。食用として飼育されていて原皮は副産物として流通、約50%が輸出されています。
*オーストラリア
北米、南米に比べ原皮生産の管理手法に遅れがあり、安定供給を受けるには自前で管理する必要があります。
*日本
品質は最高に属しますが生産量は少なく家具用に扱われることはほとんどありません。

■原皮の種類
*カーフ
生後6ヶ月以内の仔牛の皮を鞣したもの。傷が少なくきめ細かく柔らかい。牛皮の中でも最も上質。
*キップ
生後6ヶ月から2年くらいの中牛の皮。カーフよりは厚手で強度がある。カーフに次いで上質。
*ハイド
成牛(ソファ用の大半に使用される)
・ カウハイド 出産経験のある生後2年ほど経過した牝牛の皮。
・ ステアハイド 生後3〜6か月の間に去勢され、生後2年以上経過した牡牛の皮。
・ ブルハイド 生後3年以上経過した去勢されていない牡牛の皮。厚くて丈夫ですが最も肌触りが粗い。主に底皮に使用される。カウハイドとステアハイドでは同じ工場で加工した場合、滑らかさ・柔れかさはカウハイが優れている。
HTLで扱う原皮は大半がカウハイドです。日本国内のメーカーは北米産のステアハイドが主流。